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ハイドレーションはもう古い!Qwikフレームワークで実現する「Resumability」革命【2025年版】

「ページ読み込みが遅い」を根本から解決。JavaScriptの実行を極限まで遅延させる「Qwik」のResumability(再開可能性)という概念と、その実装方法を解説します。

時計のアイコン26 November, 2025
TH

Tasuke Hub管理人

東証プライム市場上場企業エンジニア

情報系修士卒業後、大手IT企業にてフルスタックエンジニアとして活躍。 Webアプリケーション開発からクラウドインフラ構築まで幅広い技術に精通し、 複数のプロジェクトでリードエンジニアを担当。 技術ブログやオープンソースへの貢献を通じて、日本のIT技術コミュニティに積極的に関わっている。

🎓情報系修士🏢東証プライム上場企業💻フルスタックエンジニア📝技術ブログ執筆者

ハイドレーション(Hydration)の限界

ReactやVueなどのモダンフレームワークは、SSR(サーバーサイドレンダリング)でHTMLを返した後、クライアント側でJavaScriptを再実行してイベントリスナーを登録する「ハイドレーション」というプロセスを経ます。

しかし、アプリが大規模になるにつれ、このハイドレーションにかかるコスト(ダウンロード+実行時間)が無視できなくなります。 「画面は表示されているのに、ボタンを押しても反応しない」という現象は、まさにハイドレーション待ちが原因です。

そこで登場したのが、Qwik です。

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Qwikの魔法:Resumability(再開可能性)

Qwikのアプローチは根本的に異なります。 「サーバーで実行した状態をそのままHTMLにシリアライズし、クライアントではそこから『再開(Resume)』する」 という考え方です。

つまり、初期ロード時のJavaScript実行量はほぼゼロ です。 ユーザーがボタンをクリックして初めて、そのボタンに必要な極小のJavaScriptコードがダウンロード・実行されます。

Qwikのメリット

  1. O(1) の初期ロード: アプリの規模がどれだけ大きくなっても、初期ロード時間は変わりません。
  2. 遅延読み込みの自動化: 開発者が意識しなくても、フレームワークが勝手にコード分割と遅延読み込みを行います。
  3. Reactライクな構文: JSXを採用しており、React開発者ならすぐに馴染めます。

さらに理解を深める参考書

関連記事と相性の良い実践ガイドです。手元に置いて反復しながら進めてみてください。

実践:Qwikでカウンターアプリを作る

1. プロジェクト作成

npm create qwik@latest

2. コンポーネントの実装 (src/routes/index.tsx)

Qwikの特徴的な記法として、イベントハンドラなどに $ が付いています。 これが「ここでコード分割して遅延読み込みするぞ」というマークです。

import { component$, useSignal } from '@builder.io/qwik';

export default component$(() => {
  // useSignalで状態管理(ReactのuseStateに近い)
  const count = useSignal(0);

  return (
    <div>
      <h1>Qwik Counter</h1>
      <p>Count: {count.value}</p>
      
      {/* onClick$ に渡した関数は、クリックされるまでダウンロードされません! */}
      <button onClick$={() => count.value++}>
        Increment
      </button>
      
      <div style={{ marginTop: '20px' }}>
        <p>
          このページをDevToolsで見てください。
          ボタンを押すまで、クリックハンドラのJSファイルは読み込まれていないはずです。
        </p>
      </div>
    </div>
  );
});

3. 実行

npm start

ブラウザのネットワークタブを開きながらボタンを押してみてください。 クリックした瞬間に、小さなJSファイルがダウンロードされるのが分かるはずです。

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Qwik City:メタフレームワーク

Next.jsのようなルーティングやAPI機能を提供するのが Qwik City です。 ディレクトリベースのルーティングや、データのローディング機能を備えています。

// src/routes/product/[id]/index.tsx
import { component$ } from '@builder.io/qwik';
import { routeLoader$ } from '@builder.io/qwik-city';

// サーバーサイドでデータを取得
export const useProductLoader = routeLoader$(async (requestEvent) => {
  const productId = requestEvent.params.id;
  // DBから取得するシミュレーション
  return {
    id: productId,
    name: `Product ${productId}`,
    price: 1000
  };
});

export default component$(() => {
  // データの取得
  const product = useProductLoader();

  return (
    <div>
      <h1>{product.value.name}</h1>
      <p>Price: ¥{product.value.price}</p>
    </div>
  );
});

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まとめ

Qwikは、Webパフォーマンスのボトルネックに対する「最終回答」の一つと言えるでしょう。 特にECサイトやメディアサイトなど、初期表示速度とSEOが収益に直結するサービスにおいて、Qwikの導入効果は絶大です。

2025年、ハイドレーションの呪縛から解き放たれ、真の「爆速」を手に入れましょう。

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