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【2025年11月版】AI時代のコーディングツール徹底比較:VS Code、Cursor、JetBrains IDE、Google Antigravity

GitHub Copilot Agent Modeを備えたVS Code、マルチエージェント対応のCursor、Junie/AI Assistantを統合したJetBrains IDEスイート、 そしてGoogleの新IDE Antigravityを最新アップデート・料金・運用リスクから比較。エンタープライズ導入の判断軸を整理します。

時計のアイコン23 November, 2025
TH

Tasuke Hub管理人

東証プライム市場上場企業エンジニア

情報系修士卒業後、大手IT企業にてフルスタックエンジニアとして活躍。 Webアプリケーション開発からクラウドインフラ構築まで幅広い技術に精通し、 複数のプロジェクトでリードエンジニアを担当。 技術ブログやオープンソースへの貢献を通じて、日本のIT技術コミュニティに積極的に関わっている。

🎓情報系修士🏢東証プライム上場企業💻フルスタックエンジニア📝技術ブログ執筆者

2025年末、IDEは「エージェント編成レイヤー」へ

GitHub Universe 2025で発表されたAgent HQは、CopilotだけでなくOpenAI CodexやClaudeなど複数エージェントをGitHub上で並列実行し、結果を比較・承認できる「ミッションコントロール」を提供すると説明されました。これに合わせてVS CodeもAgent Sessionsビューを新設し、どのエージェントが稼働中かを横断可視化する方向に舵を切っています。

同じ潮流の中で、AIネイティブIDEとして成長したCursor、IDE群全体にJunie/AI Assistantを組み込んだJetBrains、そしてGoogleがGemini 3 Proを基盤に立ち上げた新IDE Antigravityが出揃いました。本稿では「エージェントの編成・制御」を軸に4製品を比較します。

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比較フレーム(5軸)

  1. エージェント制御:複数エージェントの並行実行、計画機能、MCP/ACP等のツール連携範囲。
  2. モデル選択とコンテキスト:1Mトークン級の長文対応、BYOK、Auto/Composerなどの自動モデル切替。
  3. 実行サーフェス:IDE/CLI/ブラウザ/クラウド実行などの組み合わせ。
  4. 料金とクレジット管理:プラン体系、レートリミット、AIクレジット可視化。
  5. セキュリティ&運用リスク:サンドボックス、監査ログ、サプライチェーン対策。

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製品別アップデート

Visual Studio Code(GitHub Copilot Agent Mode)

  • 2025年3月リリース(v1.99)でAgent ModeがStableチャネルに入り、MCPサーバーやVS Code拡張ツールをエージェントに接続できるようになりました。新しいAgent Sessionsビューやチャットエディタで、複数エージェントの稼働状況を管理できます。
  • Agent Modeはクラウドでの自律実行中にもターミナルコマンドの候補をインライン表示し、Undo/Redoを粒度付きで払い戻せるようにするなど可観測性が強化されています。Plan ModeやCopilot Editsの多ファイル対応も合わせ、IDE内で「計画→実装→テスト」まで閉じられる構成になりました。
  • エンタープライズではCopilotポリシーの管理、予算トラッキング、Agent Modeの組織的有効化が行えるため、GitHub Enterpriseと合わせて導入するケースが増えています。

Cursor 2.1(マルチエージェントIDE)

  • 2025年10月リリースのCursor 2.0で、最大8体のエージェントを平行稼働させるマルチエージェントUIと、自社開発のComposerモデルを提供。2.1ではPlan Modeが対話式になり、Clarifying Questionに応えながら計画を洗練できます。
  • 料金はリクエスト課金モデルに統一(0.50アップデート以降)。個人向けはHobby(無料)、Pro($20/月、$20分のAPIクレジット)、Pro+($60/月)、Ultra($200/月)などで、Teamsは$40/ユーザー/月+500リクエストを基準に可変課金へ移行します。AutoモードやMax Modeはトークン単価に連動し、過剰利用時はAPIレート相当で上限を越えられる仕組みです。
  • サンドボックス化されたターミナル、Browser GA、バックグラウンドエージェントなどにより、IDE内でテスト・ブラウザ操作・git差分確認まで完結。Plan Mode多用時にはクレジット消費が跳ねやすいとの声もコミュニティで出ています。

JetBrains IDE + Junie / AI Assistant

  • 2025.1アップデートでJunie(計画〜実装を支援するエージェント)とAI Assistantを統合し、Free/Pro/Ultimate各ティアに同梱。All Products PackやdotUltimate契約者はAI Proを追加料金なしで利用できます。
  • 9月のAIクレジット改定で、各サブスクリプションに付与されるクレジット額が明示され、AI EnterpriseはBYOKやJunie統合を提供。1クレジット=1USD相当で、足りなければ追加購入できるようになり、費用管理が透明化しました。
  • 10月1日以降、IDEサブスクリプション価格とYouTrackのユーザーレートが11〜30%引き上げられるため、2026年度予算に織り込む必要があります。

Google Antigravity(Gemini 3 ProベースIDE)

  • 2025年11月18日にGemini 3のローンチと同時公開された「Agent First」IDE。VS Codeをベースに、複数エージェントがエディタ・ターミナル・ブラウザへ直接アクセスし、Artifacts(計画・スクショ・ブラウザ録画)でアクション履歴を残します。
  • Gemini 3 Proのプレビュー枠をAntigravity内で無償提供しつつ、Claude Sonnet 4.5やOpenAI系サードパーティモデルにも対応。Managerビューで複数ワークスペースをオーケストレーションでき、GitHubのAgent HQに似た構造をIDEレベルで実現しています。
  • Windows/macOS/Linux向けのパブリックプレビュー段階のため、SLAや商用課金は未確定。OSSベースとはいえGoogle提供のバイナリ配布のため、企業導入時はプレビュー条項やデータ保持ポリシーを確認する必要があります。

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主要指標の比較

ツール エージェント制御 モデル/コンテキスト 料金・クレジット セキュリティ/運用 想定ユースケース
VS Code + Copilot Agent Sessionsで複数エージェント監視、Plan Mode・Copilot Editsが自律編集を支援 GPT-5.1 Codex系+MCP/APIキーで他社モデルもOK。新規ワークスペース生成や検索の可視化あり Copilot Plus/Pro/Enterpriseに同梱、ポリシー・予算管理をGitHub側で提供 コマンド提案の編集、Undo/Redoの粒度制御、GitHub企業管理と連携 既存VS Code資産を活かしながらクラウド実行も使いたいSMB〜エンタープライズ
Cursor 2.1 8並列エージェント、Plan Mode Q&A、Composerモデルで高速指示 GPT/Claude/Gemini+Max Mode(1Mトークン)+Browser/Background Agent Hobby無料〜Ultra$200/月。リクエスト課金+Auto/Max課金、Teamsは$40/席+可変リクエスト macOSサンドボックス、Browserガバナンス、Usageダッシュボード。Plan Mode多用でコスト急増の声 OSS中心や高速PoC、マルチエージェントで大規模改修を進めたいスタートアップ
JetBrains IDE(Junie+AI Assistant) IDEごとにJunieが計画・指示を提示、チャットからマルチファイル適用 GPT-4.1、Claude 3.7 Sonnet、Gemini 2.5 Pro等+ローカルモデル。AIクレジットでBYOKも検討可能 Freeで基本機能、AI Pro/Ultimateはサブスク+AIクレジット。All Products Pack契約者はAI Pro付帯。10/1以降は本体価格も値上げ IDE組込のコンテキスト管理、Enterprise向けBYOK、AIクレジット残量バーで統制 IntelliJベースの大型コードベース、既存JetBrainsユーザーの段階的AI導入
Google Antigravity Editor/Managerビューで複数エージェント、Artifactsで監査性確保 Gemini 3 Pro中心、Claude Sonnet 4.5やGPT系も選択可能。ブラウザ&ターミナル連動 プレビュー中は無料+「寛大な」Gemini 3 Proレートリミット。課金/SLAは後日 OSSベースで検証しやすいがプレビュー扱い。Artifactsで行動ログを保全 GoogleスタックやGemini 3での自動ワークフロー検証、マルチエージェントPoC

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選定ガイドライン

  1. 複数エージェントを束ねたいか:既存VS Code資産+GitHub運用ならAgent Sessions、IDEレベルで完結したいならAntigravityやCursorのマルチエージェントUIが候補。
  2. 課金の透明性:予算制御が必須なら、JetBrainsのAIクレジット+進捗バー、Cursorのリクエスト課金ダッシュボード、Copilotの予算トラッカーなど可視化機能の成熟度で選ぶ。
  3. 社内モデルやBYOK:JetBrainsのAI EnterpriseやCursorのAuto/Max設定はBYOK/モデル切替前提のチームに向く。AntigravityはGemini中心のため、Google Cloud契約と併用するとスムーズ。
  4. 監査ログとSaaSリスク:CursorのサンドボックスやAntigravityのArtifacts、Copilot Agent ModeのUndo/Redo履歴など、監査要件に合うログを標準装備しているかを確認。
  5. 価格改定スケジュール:JetBrainsは2025年10月以降の値上げ、Cursorは9月15日以降のAuto課金変更、GitHub Copilotは組織ポリシーと予算トラッカーの設定タイミングが重要。

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まとめ

  • VS CodeはAgent ModeをStable化し、Agent SessionsとPlan Modeで「IDE=エージェントハブ」を目指しています。
  • CursorはComposer+8並列エージェントで実装を高速化する一方、リクエスト課金の最適化が導入のキーポイントです。
  • JetBrainsはJunie/AI Assistantを全IDEに展開し、AIクレジットモデルと価格改定で長期利用を意識したプランへ移行しています。
  • Google AntigravityはGemini 3とArtifactsで「透明性のあるエージェントIDE」を掲げ、プレビュー中ながらマルチモデル対応を実装しています。

用途やリスク許容度に応じて、単一ツールの優劣ではなく、Agent HQやAntigravity Managerのような編成レイヤーと複数IDEをどう組み合わせるかを設計することが、2026年のAIコーディング体制づくりの第一歩になります。

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