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LLM品質×コストのPareto最適化【2025年版】:多目的最適化で最適点を選ぶ

品質(正確性/有用性)とコスト(トークン/レイテンシ)を同時に改善する多目的最適化フレーム。Paretoフロントの作り方、グリッド探索、ナッジ(ゲート/しきい値)、意思決定手順をコード例で解説。

時計のアイコン13 September, 2025
TH

Tasuke Hub管理人

東証プライム市場上場企業エンジニア

情報系修士卒業後、大手IT企業にてフルスタックエンジニアとして活躍。 Webアプリケーション開発からクラウドインフラ構築まで幅広い技術に精通し、 複数のプロジェクトでリードエンジニアを担当。 技術ブログやオープンソースへの貢献を通じて、日本のIT技術コミュニティに積極的に関わっている。

🎓情報系修士🏢東証プライム上場企業💻フルスタックエンジニア📝技術ブログ執筆者

目的

LLMは“品質を上げるほど高コストになりがち”。単一指標の最大化から、品質×コストの多目的最適化へ発想を切り替えます。


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指標設計

  • 品質: 事実性、関連度、網羅性、害の無さ、トーン(0..1)
  • コスト: 入力/出力トークン、推論時間(ms)、失敗率
  • 制約: 最低限の品質しきい値(例: 事実性 ≥ 0.8)

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Paretoフロントの構築

type Point = { id: string; quality: number; cost: number; latency: number };

function paretoFront(points: Point[]) {
  return points.filter(p => !points.some(q => (q.quality >= p.quality && q.cost <= p.cost && q.latency <= p.latency) && (q.quality > p.quality || q.cost < p.cost || q.latency < p.latency)));
}

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グリッド探索:モデル×プロンプト×RAG設定

type Cfg = { model: string; temp: number; topP: number; ctxTokens: number };
async function evaluate(cfg: Cfg) {
  // オフラインベンチで品質を推定し、APIレスポンスからトークン/時間を計測
  return { quality: await score(cfg), cost: tokens(cfg) * price(cfg.model), latency: await time(cfg) };
}

async function gridSearch(cfgs: Cfg[]) {
  const res = [] as (Cfg & {quality:number;cost:number;latency:number})[];
  for (const c of cfgs) res.push({ ...c, ...(await evaluate(c)) });
  return paretoFront(res);
}

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ナッジ(ゲート)で運用に落とす

  • 既定は軽量モデル、品質しきい値未満だけ高性能へ昇格(品質ゲート)。
  • 長文/高リスクドメインのみCoTや長いコンテキストを許可(コストゲート)。
function routeByRisk(input: { text: string; risk: 'low'|'high' }) {
  return input.risk === 'high' ? { model: 'pro', cot: true } : { model: 'lite', cot: false };
}

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意思決定手順

  1. 代表データでベンチを作成(品質とコストを同時計測)
  2. グリッド探索→Paretoフロントを抽出
  3. 組織目標に合わせ重み/制約を設定(例:月額予算上限)
  4. 本番でA/B→ダッシュボードで追跡→定期的に再探索

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チェックリスト

  • 品質・コスト・レイテンシの同時計測
  • しきい値とフォールバック(ゲート)
  • Paretoフロントの可視化
  • 定期再評価とモデル更新の追従

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まとめ

Pareto思考により、“十分に良い品質”を最小コストで満たす運用が可能になります。評価とコストの両輪を回し、状況に応じて最適点を更新しましょう。

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