Kubernetesの「重さ」という問題
Kubernetesは素晴らしいオーケストレーションツールですが、正直に言えばオーバースペックな場面が多すぎます。
- 最低メモリ要件:2GB(現実的には4GB以上)
- 複雑な初期セットアップ
- etcdクラスタの管理負担
- 大量の依存コンポーネント
小規模な開発環境やエッジデバイスでは、この複雑さと重さが足枷になります。
K3sは、この問題を根本から解決します。
最短で課題解決する一冊
この記事の内容と高い親和性が確認できたベストマッチです。早めにチェックしておきましょう。
K3sとは?軽量の秘密
K3sは、Rancher Labsが開発した認定Kubernetes互換ディストリビューションです。 「5 less than K8s」(K8sより5つ少ない=K3s)というネーミングが示すとおり、徹底的に軽量化されています。
驚異的な軽さ
- バイナリサイズ: わずか100MB未満
- 最小メモリ: 512MB(K8sの1/4)
- 起動時間: 数秒(K8sの数十分の一)
何を削ったのか?
K3sは以下を削除・置換することで軽量化を実現しています:
- 不要なクラウドプロバイダー統合を削除
- etcd → 軽量なSQLiteに置換(オプションでetcdも使用可)
- レガシーコンポーネントを削除
重要なのは、これらの変更がK8s APIの完全互換性を維持していることです。
さらに理解を深める参考書
関連記事と相性の良い実践ガイドです。手元に置いて反復しながら進めてみてください。
実践:ラズパイでKubernetesクラスタ構築
Raspberry Pi 4(メモリ4GB)でK3sクラスタを構築してみましょう。
マスターノードのセットアップ
# K3sのインストール(1コマンド!)
curl -sfL https://get.k3s.io | sh -
# インストール確認
sudo k3s kubectl get nodesたったこれだけで、Kubernetesクラスタのマスターノードが起動します。
ワーカーノードの追加
別のRaspberry Piをワーカーノードとして追加します。
# マスターノードでトークンを取得
sudo cat /var/lib/rancher/k3s/server/node-token
# ワーカーノードで実行(K3S_URLとK3S_TOKENを環境変数で指定)
curl -sfL https://get.k3s.io | K3S_URL=https://マスターのIP:6443 \
K3S_TOKEN=取得したトークン sh -アプリケーションのデプロイ
通常のK8sと同じYAMLファイルがそのまま使えます。
# nginx-deployment.yaml
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
name: nginx
spec:
replicas: 2
selector:
matchLabels:
app: nginx
template:
metadata:
labels:
app: nginx
spec:
containers:
- name: nginx
image: nginx:alpine
ports:
- containerPort: 80
---
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
name: nginx
spec:
type: LoadBalancer
selector:
app: nginx
ports:
- port: 80
targetPort: 80sudo k3s kubectl apply -f nginx-deployment.yamlさらに理解を深める参考書
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K3sの組み込み機能
K3sは標準で以下が組み込まれています:
- Traefik(Ingress Controller)
- CoreDNS(DNS)
- Service Load Balancer
- Flannel(CNI)
別途インストールする必要がなく、ゼロコンフィグで動作します。
さらに理解を深める参考書
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K8sとの使い分け
K3sを選ぶべき場合
- エッジデバイス(IoT、ラズパイ)
- CI/CD環境
- ホームラボ
- 開発・テスト環境
K8sを選ぶべき場合
- 大規模本番環境(数百ノード以上)
- 複雑なマルチクラウド戦略
- 高度なカスタマイズが必要
さらに理解を深める参考書
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まとめ
K3sは「Kubernetesは欲しいが、複雑さは要らない」という現実的なニーズに応える、まさに理想的なソリューションです。
個人開発から企業のエッジコンピューティングまで、K3sの適用範囲は驚くほど広いです。 まずは手元のRaspberry Piで試してみませんか?
Kubernetesの本質的な価値を、最小限のリソースで体験できるはずです。
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