Tasuke HubLearn · Solve · Grow
#K3s

Kubernetesは重すぎる!Raspberry Piでも動くK3s軽量コンテナ管理入門

512MBメモリでも動作する超軽量Kubernetes互換環境「K3s」。エッジコンピューティングからホームラボまで、K8sの複雑さを排除した実用的なコンテナオーケストレーションを解説します。

時計のアイコン26 November, 2025
TH

Tasuke Hub管理人

東証プライム市場上場企業エンジニア

情報系修士卒業後、大手IT企業にてフルスタックエンジニアとして活躍。 Webアプリケーション開発からクラウドインフラ構築まで幅広い技術に精通し、 複数のプロジェクトでリードエンジニアを担当。 技術ブログやオープンソースへの貢献を通じて、日本のIT技術コミュニティに積極的に関わっている。

🎓情報系修士🏢東証プライム上場企業💻フルスタックエンジニア📝技術ブログ執筆者

Kubernetesの「重さ」という問題

Kubernetesは素晴らしいオーケストレーションツールですが、正直に言えばオーバースペックな場面が多すぎます。

  • 最低メモリ要件:2GB(現実的には4GB以上)
  • 複雑な初期セットアップ
  • etcdクラスタの管理負担
  • 大量の依存コンポーネント

小規模な開発環境やエッジデバイスでは、この複雑さと重さが足枷になります。

K3sは、この問題を根本から解決します。

ベストマッチ

最短で課題解決する一冊

この記事の内容と高い親和性が確認できたベストマッチです。早めにチェックしておきましょう。

K3sとは?軽量の秘密

K3sは、Rancher Labsが開発した認定Kubernetes互換ディストリビューションです。 「5 less than K8s」(K8sより5つ少ない=K3s)というネーミングが示すとおり、徹底的に軽量化されています。

驚異的な軽さ

  • バイナリサイズ: わずか100MB未満
  • 最小メモリ: 512MB(K8sの1/4)
  • 起動時間: 数秒(K8sの数十分の一)

何を削ったのか?

K3sは以下を削除・置換することで軽量化を実現しています:

  • 不要なクラウドプロバイダー統合を削除
  • etcd → 軽量なSQLiteに置換(オプションでetcdも使用可)
  • レガシーコンポーネントを削除

重要なのは、これらの変更がK8s APIの完全互換性を維持していることです。

さらに理解を深める参考書

関連記事と相性の良い実践ガイドです。手元に置いて反復しながら進めてみてください。

実践:ラズパイでKubernetesクラスタ構築

Raspberry Pi 4(メモリ4GB)でK3sクラスタを構築してみましょう。

マスターノードのセットアップ

# K3sのインストール(1コマンド!)
curl -sfL https://get.k3s.io | sh -

# インストール確認
sudo k3s kubectl get nodes

たったこれだけで、Kubernetesクラスタのマスターノードが起動します。

ワーカーノードの追加

別のRaspberry Piをワーカーノードとして追加します。

# マスターノードでトークンを取得
sudo cat /var/lib/rancher/k3s/server/node-token

# ワーカーノードで実行(K3S_URLとK3S_TOKENを環境変数で指定)
curl -sfL https://get.k3s.io | K3S_URL=https://マスターのIP:6443 \
  K3S_TOKEN=取得したトークン sh -

アプリケーションのデプロイ

通常のK8sと同じYAMLファイルがそのまま使えます。

# nginx-deployment.yaml
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: nginx
spec:
  replicas: 2
  selector:
    matchLabels:
      app: nginx
  template:
    metadata:
      labels:
        app: nginx
    spec:
      containers:
      - name: nginx
        image: nginx:alpine
        ports:
        - containerPort: 80
---
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
  name: nginx
spec:
  type: LoadBalancer
  selector:
    app: nginx
  ports:
  - port: 80
    targetPort: 80
sudo k3s kubectl apply -f nginx-deployment.yaml

さらに理解を深める参考書

関連記事と相性の良い実践ガイドです。手元に置いて反復しながら進めてみてください。

K3sの組み込み機能

K3sは標準で以下が組み込まれています:

  • Traefik(Ingress Controller)
  • CoreDNS(DNS)
  • Service Load Balancer
  • Flannel(CNI)

別途インストールする必要がなく、ゼロコンフィグで動作します。

さらに理解を深める参考書

関連記事と相性の良い実践ガイドです。手元に置いて反復しながら進めてみてください。

K8sとの使い分け

K3sを選ぶべき場合

  • エッジデバイス(IoT、ラズパイ)
  • CI/CD環境
  • ホームラボ
  • 開発・テスト環境

K8sを選ぶべき場合

  • 大規模本番環境(数百ノード以上)
  • 複雑なマルチクラウド戦略
  • 高度なカスタマイズが必要

さらに理解を深める参考書

関連記事と相性の良い実践ガイドです。手元に置いて反復しながら進めてみてください。

まとめ

K3sは「Kubernetesは欲しいが、複雑さは要らない」という現実的なニーズに応える、まさに理想的なソリューションです。

個人開発から企業のエッジコンピューティングまで、K3sの適用範囲は驚くほど広いです。 まずは手元のRaspberry Piで試してみませんか?

Kubernetesの本質的な価値を、最小限のリソースで体験できるはずです。

さらに理解を深める参考書

関連記事と相性の良い実践ガイドです。手元に置いて反復しながら進めてみてください。

この記事をシェア

続けて読みたい記事

編集部がピックアップした関連記事で学びを広げましょう。

#Kubernetes

Kubernetesはもう古い?コンテナオーケストレーションの未来【2025年版】

2025/9/3
#Kubernetes

Kubernetes本番デプロイ完全トラブルシューティングガイド【2025年実務解決策決定版】

2025/8/17
#Docker

【2025年決定版】Docker & Kubernetes本番環境デプロイ完全ガイド:初心者から実践までのトラブルシューティング大全

2025/11/28
#Platform Engineering

企業向けプラットフォームエンジニアリング実装ガイド - Backstage・Kubernetes・GitOps統合【2025年最新】

2025/8/14
#Astro

JavaScriptゼロでも動く!Astro Islands Architectureで作る超高速サイト

2025/11/26
#Next.js

Next.js超入門【2025年版】:App Routerで最初の1ページを作る

2025/9/13