Tasuke HubLearn · Solve · Grow
#Swift

SwiftはiOSだけじゃない!サーバーサイドSwift「Vapor」実践ガイド【2025年版】

型安全で高速なSwiftをサーバーサイドでも。人気フレームワーク「Vapor」を使って、Linuxサーバーで動くAPIを開発・デプロイする方法を解説します。

時計のアイコン26 November, 2025
TH

Tasuke Hub管理人

東証プライム市場上場企業エンジニア

情報系修士卒業後、大手IT企業にてフルスタックエンジニアとして活躍。 Webアプリケーション開発からクラウドインフラ構築まで幅広い技術に精通し、 複数のプロジェクトでリードエンジニアを担当。 技術ブログやオープンソースへの貢献を通じて、日本のIT技術コミュニティに積極的に関わっている。

🎓情報系修士🏢東証プライム上場企業💻フルスタックエンジニア📝技術ブログ執筆者

Swiftをサーバーで書くという選択

「Swift = iOSアプリ開発」というイメージは、2025年の今、完全に過去のものとなりました。 Appleの強力なバックアップとオープンソースコミュニティの尽力により、Server-side Swift は実用的な選択肢として成熟しています。

その中心にあるのが、Webフレームワーク Vapor です。 Express.jsのような手軽さと、Swiftの強力な型安全性・パフォーマンスを兼ね備えています。

なぜサーバーサイドSwiftなのか?

  1. 言語の統一: iOSエンジニアがバックエンドも書けるようになり、コードの共有(DTOなど)が可能になります。
  2. 安全性: Swiftの強力な型システムとメモリ管理により、実行時エラーを激減させます。
  3. パフォーマンス: コンパイル言語であるため、Node.jsやRubyよりも高速に動作し、メモリ消費も少ないです。
ベストマッチ

最短で課題解決する一冊

この記事の内容と高い親和性が確認できたベストマッチです。早めにチェックしておきましょう。

実践:VaporでAPIサーバーを作る

Linux (Ubuntu) 環境でも動く、シンプルなTODO APIを作ってみましょう。

1. インストール

macOSの場合はHomebrewで一発です。

brew install vapor

2. プロジェクト作成

vapor new todo-api -n
cd todo-api

3. モデルの作成 (Sources/App/Models/Todo.swift)

Fluent(VaporのORM)を使ってモデルを定義します。

import Fluent
import Vapor

final class Todo: Model, Content {
    static let schema = "todos"

    @ID(key: .id)
    var id: UUID?

    @Field(key: "title")
    var title: String

    init() { }

    init(id: UUID? = nil, title: String) {
        self.id = id
        self.title = title
    }
}

4. コントローラーの実装 (Sources/App/Controllers/TodoController.swift)

import Fluent
import Vapor

struct TodoController: RouteCollection {
    func boot(routes: RoutesBuilder) throws {
        let todos = routes.grouped("todos")
        todos.get(use: index)
        todos.post(use: create)
    }

    func index(req: Request) async throws -> [Todo] {
        try await Todo.query(on: req.db).all()
    }

    func create(req: Request) async throws -> Todo {
        let todo = try req.content.decode(Todo.self)
        try await todo.save(on: req.db)
        return todo
    }
}

5. ルーティングの登録 (Sources/App/routes.swift)

import Fluent
import Vapor

func routes(_ app: Application) throws {
    try app.register(collection: TodoController())
}

6. 実行

vapor run

これで http://localhost:8080/todos にアクセスすれば、APIが動作していることが確認できます。

さらに理解を深める参考書

関連記事と相性の良い実践ガイドです。手元に置いて反復しながら進めてみてください。

Linuxへのデプロイ

「SwiftはMacじゃないと動かないのでは?」という誤解がありますが、SwiftはLinuxをファーストクラスでサポートしています。

Dockerを使ったデプロイ

Vaporプロジェクトには標準で Dockerfile が含まれています。 これを使えば、AWS App RunnerやGoogle Cloud Runなどのコンテナ環境に簡単にデプロイできます。

# Dockerfile (自動生成されるもの)
FROM swift:5.9-jammy as build
...
FROM ubuntu:jammy
...
CMD ["./App"]
docker build -t todo-api .
docker run -p 8080:8080 todo-api

生成されるDockerイメージはUbuntuベースで、必要なライブラリだけを含むため、非常に軽量です。

さらに理解を深める参考書

関連記事と相性の良い実践ガイドです。手元に置いて反復しながら進めてみてください。

まとめ

iOSエンジニアにとって、バックエンド開発のハードルを劇的に下げてくれるのがServer-side Swiftです。 使い慣れた言語、強力な型システム、そしてXcodeの補完機能をフルに使って、バックエンドも開発してみませんか?

2025年は、Swiftで「フルスタックエンジニア」を目指す絶好のチャンスです。

さらに理解を深める参考書

関連記事と相性の良い実践ガイドです。手元に置いて反復しながら進めてみてください。

この記事をシェア

続けて読みたい記事

編集部がピックアップした関連記事で学びを広げましょう。

#Go

GoとGinによるハイパフォーマンスAPIサーバー構築ガイド【2025年版】

2025/9/19
#React

React 19の新機能 `use` フック実践ガイド【2025年版】

2025/9/19
#Security

APIセキュリティ実践ガイド【2025年版】:OWASP Top 10と具体的な対策

2025/9/3
#カスタマーサポート

【2025年版】マルチモーダル顧客サポートの実践ガイド

2025/11/23
#データ

【2025年版】シンセティックデータガバナンス実践ガイド

2025/11/23
#Rust

RustとWASMによるハイパフォーマンスサーバーレス関数開発ガイド【2025年版】

2025/9/19